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脳卒中

くも膜下出血 血管攣縮

投稿日:2018年12月8日 更新日:

くも膜下出血後の血管攣縮

くも膜下出血をおこして、まず再出血を防止するために手術をしたとしてもそれでくも膜下出血の治療が終わるわけではありません。くも膜下出血をおこしてから4日から14日(2週間)の間は、出血した血液が脳の血管の周囲に充満することによって脳の血管が縮むという現象が起こります。これを血管攣縮といいます。血管攣縮の程度がひどいとその部分から先に血液が流れなくなって、脳梗塞を引き起こします。病院に来たときにはほとんど症状がなかった方でも、血管攣縮の程度がひどいと重い後遺症が残ったり、命を落とす危険すらあります。なのでこの血管攣縮はなんとしてでも乗り越えなければならない大きな山になります。

 

血管攣縮予防の治療

この時期の治療としては脳梗塞にならないような治療を行います。具体的には、血液が流れやすいように血をサラサラにする薬を投与したり、血管がつぶれないように血管内の水分を多めにしたり、血管を開く薬を投与したり、血圧を高めにして血液をなるべく送るようにしたりします。また、血液中の酸素を運ぶヘモグロビンが検査で低めに出ていたら、より多くの酸素を運べるようにするために赤血球の輸血を行うこともあります。
このような治療を行いつつ、2週間経ったらやっと大きな山を越えたといえるのです。

くも膜下出血の慢性期についてはこちら

 

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