重症患者さんの治療のために点滴による薬剤投与が必要だけど、浮腫で末梢のルート確保が困難。。。先生CV検討していただけませんか? こんな場面は、どの科の先生でも何度か経験あるのではないでしょうか。CV(中心静脈)カテーテル挿入は若手医師の手技によって大きな合併症を引き起こす事例が発生したりして、以前のようにベッドサイドで手軽にCV挿入が行えるような時代ではなくなってきました。このような時代だからこそ、基本を見直してCV挿入を行うことが大事だと思います。
CV(中心静脈)カテーテル挿入の適応
経腸的栄養投与ができない
抹消のルート確保が困難
化学療法の薬投与
など
CV挿入部位の選択、特徴
鎖骨下静脈…固定が容易。体動制限なし。気胸のリスク高い。
内頸静脈…挿管中ならいいが、気管切開をしているとやや邪魔。気胸のリスクは低い。動脈誤穿刺による出血のリスクが高い。
大腿静脈…周囲に重要な構造物が少なく比較的安全。汚染のリスクが高い。
どこから穿刺するかは、慣れの問題もありますが、私は内頸静脈を第一選択としています。
CVの手順(内頸静脈穿刺)
内頸静脈穿刺
・体位は水平位もしくはTrendelenburg体位。
・マーキング。胸鎖乳突筋と鎖骨でできる三角内で総頚動脈を触れ、その外側に内頸静脈がある。エコーで走行を確認する。
・消毒
・エコー下で試験穿刺。
・本穿刺。ゆっくり進める。この際もエコー下で行うとより確実。逆血があったら数ミリ進めて外筒も血管内にとどまるようにする。
・内筒をキープしつつ外筒を抜く。
・ガイドワイヤー挿入。ガイドワイヤーが通るルーメンのクランプを外しておく。
・挿入の深さは13−15cm。心電図を確認して、右心房刺激による不整脈が出てないかチェック。逆血を確認。
・挿入したらヘパリン生食でルーメンを満たす。
・固定
・手技が終了したら、レントゲン撮影しカテーテル先端を確認。気胸がないかなどもチェックする。
ワンポイント
・穿刺が当たらない場合は恥じずに交代する。
・エコー下で可能な限り安全に行う。
・静脈が虚脱していたら、なるべく静脈圧が上がるような体位にする。