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脳卒中

くも膜下出血 コイル治療について

投稿日:2018年12月8日 更新日:

今回はくも膜下出血の再破裂予防のための手術として、カテーテルの治療であるコイルの治療について述べたいと思います。

 

カテーテル治療

カテーテルとは血管の中を進める細い管と思ってください。多くは太ももの付け根の動脈に太いカテーテルを入れて頭の中の血管にカテーテルを進めていきます。

 

コイル治療

先に行くほど血管は細くなっていくので、カテーテルも太いカテーテルの中により細いカテーテルを通して頭の中の細い血管に進めていきます。一番細いカテーテルの先端が動脈瘤の中に収まったら、そこからコイルを出していきます。コイルは針金が絡まったような感じのもので、動脈瘤の中にクシャクシャになりながら収まります。これを何本か積み重ねていくことで動脈瘤の中に詰まっていきます。ある程度詰まったら手術終了で、その後はそのコイルに血の塊ができていってやがて動脈瘤は潰れるというシナリオになります。

 

コイル治療のメリット、デメリット

コイルのメリットは開頭手術のクリッピングと異なって脳を傷めずに済むということがあります。しかし、カテーテルのついた血の塊が飛んで脳梗塞になったり、カテーテル自体が血管の壁を痛める恐れもあります。
カテーテルでコイルの治療を行うか開頭をしてクリップの治療を行うかの選択は、患者さんの状態や年齢、動脈瘤の大きさや場所や形、術者の慣れなどいろんな要素を総合して決定されると思ってください。

 

 

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