水頭症とは
くも膜下出血の慢性期の合併症として正常圧水頭症があります。水頭症とは髄液という脳を保護する頭蓋内の水が脳内の脳室という空間に溜まる病気です。だいたいくも膜下出血を発症してから1−2ヶ月頃に症状が出るようになり、10−20%の方が水頭症を発症します。
なぜくも膜下出血後に水頭症になるのか?
脳は髄液という頭蓋内の水の中に浮いている状態でいるのですが、この髄液は脳の内側にある脳室という空間の脈絡叢というモジャモジャした組織で作られます。その髄液は脳内の脳室の通路を通って首の上辺りの高さで脳の外に出て、脳から脊髄の周りを満たします。その満たされた髄液は頭のてっぺんあたりにある、くも膜顆粒というつぶつぶの部分から血液内に吸収されると考えられています。くも膜下出血の人は最初に出血した血液がこのくも膜顆粒に目詰まりして髄液の吸収が障害されることがあり、そうすると髄液の流れが滞って脳室の中にどんどん水が溜まっていきます。この状態が水頭症です。
水頭症の症状は?
水頭症になると、髄液の溜まった脳室が水風船のように膨らむことで内側から脳が圧迫された状態になり症状を引き起こします。水頭症の代表的な症状は、認知症、歩行障害、尿失禁の3つです。
水頭症の治療は?
この水頭症はせっかく再破裂、血管攣縮を乗り切った元気な患者さんの生活の質を落としてしまうため治療が必要になります。治療として、脳室内に溜まった髄液を腹腔内に逃して腹腔から吸収されるようにする、脳室腹腔短絡術が行われます。この手術は、全身麻酔で行います。頭の前側か後ろ側の頭蓋骨に穴を開け、脳の表面から脳室内にチューブを入れます。そのチューブは首、胸、お腹の皮膚の下を通してお腹の中の腹腔内につなげます。
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