くも膜下出血はとても怖い病気だということは多くの人が知っていると思います。というのも芸能人やスポーツ選手がくも膜下出血で倒れたというニュースをよく耳にするからです。
くも膜下出血とは?
くも膜下出血とはどんな病気でしょうか?
くも膜下出血は脳の表面のスペース(このスペースをくも膜下腔といいます)に出血する病気です。そうすると出血によって脳が広範囲に圧迫されるため、脳にダメージが起きます。その程度は様々で、軽い頭痛で風邪かなと思うくらいの軽症から、重症なものでは今まで経験したことのないくらいのひどい頭痛を感じたり、おえおえ吐いたり、なかには意識を失って倒れたり、いきなり心臓が止まる人もいます。だいたい出血の量に比例します。病院を受診する、もしくは病院に運ばれて頭のCTの検査を行うと診断されます。
くも膜下出血の転帰は?
くも膜下出血は大雑把に言って、1/3の人が亡くなり、1/3の人が重い後遺症が残り、1/3の人が軽い後遺症で社会復帰できるとされています。なのでくも膜下出血と診断された時点でご家族の方はかなりの覚悟が必要となります。
くも膜下出血の原因は?
くも膜下出血の原因のほとんどは脳の動脈の壁の一部が膨らんでできる脳動脈瘤です。CT検査でくも膜下出血と分かったら、次に造影剤を使ったCT検査をして脳の血管を調べます。その検査で動脈瘤がどこにあるかが分かります。
くも膜下出血がおきた直後に気をつけること
一旦動脈瘤が破裂して出血したあとは、自然にかさぶたができて一時的に出血が止まった状態になります。しかし、これで安心ではなく、そのかさぶたが取れて再度出血する恐れがあるのです(これを再出血といいます)。再出血すると多くの場合、より重症化して最悪死亡することもあります。なので、これは絶対に避けなければ命取りになります。
再出血予防の治療
くも膜下出血とわかったら、すぐに血圧を下げる治療を開始します。血圧を下げる薬を使ったり、眠くなる薬を使ってとにかく血圧が上がって再出血しないように努力します。しかし、再出血がもう起きないと安心するためにはこれだけでは不十分です。再出血がもう起きないと安心するには、手術で破裂した動脈瘤を閉鎖する必要があります。手術には、頭を開けて動脈瘤を直接クリップで閉鎖するクリッピング術と、カテーテルで血管の中から動脈瘤にアプローチしてコイルという細い針金が絡まったようなものを詰めて閉鎖するコイル塞栓術の二通りがあります。詳しくは後ほど述べたいと思いますが、手術をして初めて再出血はもう起きないと安心することができます。ただ、手術をしたからといって発症したときの症状が良くなったり、意識が良くなったりするわけではないことは理解しておかなければなりません。あくまでも再破裂防止の救命のための手術なのです。
ところが再出血の心配がなくなったからといってくも膜下出血の治療が終わったわけではありません。続きはまた別の項目で述べたいと思います。
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[…] 動脈瘤が破裂するとくも膜下出血を発症しますが、その際の典型的な症状に今までに経験したことのない突然の激しい頭痛というものがあります。 […]