医学をもっとわかりやすく

医学についてわかりやすく説明するサイトです

脳卒中

Infundibular dilatation 漏斗状拡張

投稿日:

Infundibular dilatation(漏斗状拡張)とは一見動脈瘤と思いきや実は先から血管の枝が出ていて、「動脈瘤ではなく血管の分岐部の膨らみでしたね」というやつです。

基本的には破裂する心配はないので経過観察しますが、まれににこのInfundibular dilatation(漏斗状拡張)が破裂したという論文もあるので本当に経過を見ていいのかどうかという議論もあります。

 

Infundibular dilatation(漏斗状拡張)に関する論文紹介

今回はそのInfundibular dilatation(漏斗状拡張)を治療すべきかどうかについて書かれた論文を紹介します。

World Neurosurg. 2018 Dec 18. pii: S1878-8750(18)32817-1. doi:10.1016/j.wneu.2018.12.007.

 

この論文では、Infundibular dilatation(漏斗状拡張)と関連のあるくも膜下出血に関する文献をレビューしており、Infundibular dilatation(漏斗状拡張)を治療する必要があるかどうかを論じたものです。

結果的には、くも膜下出血に関連したInfundibular dilatation(漏斗状拡張)の症例は大部分がInfundibular dilatation(漏斗状拡張)自体の出血ではなく、Infundibular dilatation(漏斗状拡張)近傍にあった真の動脈瘤からの出血であったことがわかりました。

この論文の結論としては、Infundibular dilatation(漏斗状拡張)自体は治療の必要はなく、Infundibular dilatation(漏斗状拡張)に関連する動脈瘤は治療したほうが良いとなっていました。

 

関連論文

Infundibular dilatation(漏斗状拡張)の近傍に新規動脈瘤ができて、それが破裂してくも膜下出血になったという症例もありました。参考文献

 

まとめ

これらのことを考えると、例えば脳ドックでInfundibular dilatation(漏斗状拡張)が見つかった場合は、それ自体は治療しなくてもいいけど、その近傍には動脈瘤ができるかもしれないからフォローは必要ということですかね。

 

なにかご意見があればお願いいたします。

-脳卒中
-, , ,

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

くも膜下出血 血管攣縮

くも膜下出血後の血管攣縮 くも膜下出血をおこして、まず再出血を防止するために手術をしたとしてもそれでくも膜下出血の治療が終わるわけではありません。くも膜下出血をおこしてから4日から14日(2週間)の間 …

脳出血後の運転について

地域差はあると思いますが車は私たちの生活になくてはならないものです。脳出血を起こしてしまったら、車の運転はどうなるのでしょうか?   脳出血をおこしてしまった後の車の運転 脳出血を起こしたた …

くも膜下出血 水頭症の治療について

今回はくも膜下出血の慢性期の合併症である正常圧水頭症の治療について書きたいと思います。   水頭症 正常圧水頭症は、髄液という頭の中のお水が脳内の脳室というスペースに溜まって症状を出す病気で …

くも膜下出血 慢性期管理

くも膜下出血 慢性期 くも膜下出血で発症して2週間がすぎると慢性期管理に移ります。発症してから2週間がすぎるまでに、再出血や脳梗塞などが起きるかどうかにもよりますが、その時点でどれくらいの症状があるか …

脳出血の症状

よく「脳出血が心配で病院に来ました」という患者さんがいらっしゃいます。どのような場合に脳出血を心配するべきでしょうか? 脳出血の症状 脳出血の症状にはどのような症状があるか考えてみましょう。 脳出血は …

ピンクゼリーがすごいって知ってる?

一人目は男の子だったから二人目は女の子がいいなあ。。
そう思っているお母さん

産婦人科医が共同開発した女の子を産み分けるゼリーがあるんです!

気になる方はこちらから



ヤフーショッピング

研修医のおすすめ本

研修医におすすめの病棟管理の参考書

病棟指示と頻用薬の使い方 決定版 [ 松原 知康 ]

 

病棟指示と頻用薬の使い方 決定版 [ 松原 知康 ]

価格:4950円
(2025/3/26 14:13時点)
感想(0件)

お名前ドットコム

よろしければクリックお願いします↓

よろしければクリックお願いします↓
にほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へ