頭蓋底

外側後頭下開頭 S状静脈洞後方アプローチ

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今日は手術のお勉強です。

外側後頭下開頭 S状静脈洞後方アプローチ

このアプローチは耳の後ろの皮膚を切って、後頭蓋窩にアプローチする手術法です。

 

外側後頭下開頭を使用する疾患

聴神経腫瘍

三叉神経痛

顔面けいれん

椎骨動脈瘤

後頭蓋窩髄膜腫(錐体骨髄膜腫など)

外側後頭下開頭の基本

術前検査

CT、MRIなどを行います。疾患の評価以外に下記のチェックポイントがあります。

チェックするポイントは、乳突蜂巣(Mastoid aricell)の発達度合い、反対側のS状静脈洞(Sigmoid sinus)の発達具合、経静脈球(Jugular bulb)の高位(high jugularではないか)、上錐体静脈(Superior petrosal vein)の走行、など。

 

体位・頭位

体位は側臥位かパークベンチ体位とし、頭位は真横かやや下を向く事が多いです。仰臥位で首を真横にするSupine lateralの体位をとることもあります。

 

気をつけること→顎を引きすぎると静脈還流障害が起こる可能性がある。

 

皮切・筋肉切開

皮膚切開は耳の後ろにS字状、くの字状、もしくはC型の皮切をおきます。

後頭骨に後頚筋群が付着しており、それらの筋肉をまとめて切開するか層ごとに分けて切開するかして骨を露出します。

血管吻合が必要な場合は、この際にレシピエントとなる後頭動脈の採取を行います。

 

開頭

開頭は操作する範囲によって多少ずれたり大きさが変わることがありますが、大まかに横静脈洞からS状静脈洞に沿った辺縁を含むように開頭を行います。場合によって大孔を開放することもあります。

 

頭蓋内操作

髄液を抜くために、まずCerebellomedullary cisternを開放します。

頭蓋内で重要な構造物は、顔面神経、聴神経、外転神経、三叉神経、下位脳神経(舌咽神経、迷走神経、副神経)、舌下神経、椎骨動脈、脳底動脈、後下小脳動脈、前下小脳動脈、上小脳動脈、脳幹(橋、延髄)、上錐体静脈などです。

これらの構造物を傷つけないように手術操作を行います。

 

硬膜縫合

Watertightに閉鎖するのは困難なことが多いです。筋肉片などをパッチしたり、人口硬膜で補填したりして隙間を埋めます。

 

こんなときどうする?

Sinusの損傷→出血、空気塞栓、静脈洞血栓症などに繋がりとても危険。

Sinus損傷時の止血方法→筋肉にFibrin glueをつけてパッチする。

 

術後気をつける合併症

下位脳神経障害→嚥下障害。

髄液漏→Vasalva手技は控える、いきんだりくしゃみをしたりしないようにする。

 

外側後頭下開頭の基本は主にこれで学びました↓

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