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脳神経外科

頭蓋内圧亢進

投稿日:2019年8月30日 更新日:

頭蓋内圧亢進は2つの視点から考えると考えやすいと思います。

1つは全体的に脳圧が亢進する場合、

もう1つは局所的に頭蓋内圧が亢進する場合です。

しばしばこの2つの状態は同時に起きることもあります。

全体的な頭蓋内圧亢進(くも膜下出血、急性水頭症)

•頭蓋内圧が様々な原因で上昇すると血圧(脳に血液を送る圧)より高くなり、頭蓋内灌流圧が0となる。そうすると、脳への酸素や栄養がいかなくなり神経細胞が死んでしまう。

局所的な頭蓋内圧亢進(脳内出血、急性硬膜下血腫、急性硬膜外血腫、慢性硬膜下血腫)

•頭蓋内、脳内に局所的に占拠性病変があると、その近くの神経細胞がやられて神経症状がでる。
•脳ヘルニア→局所的に脳内の圧が上がって脳がはみ出て、結果的に脳幹が圧迫される。そうすると、呼吸や循環が障害され、生命が危険な状態となる。

脳神経外科手術の目的

•頭蓋内圧亢進を解除、予防することで神経機能回復もしくは救命することが脳外科手術の目的

※圧迫されている脳の機能は回復しうるので圧迫を解除することで神経機能の回復が期待できる

※損傷してしまった脳の機能は回復しないが、脳幹が生きていれば救命の余地がある

-脳神経外科

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