咽頭痛で鑑別すべき感染症として、溶連菌感染症があります。
苺舌(舌にいちごのようなつぶつぶができる)、口周囲蒼白(口の周りのみが蒼白にみえること)、全身発疹などが見られます。
A群溶連菌咽頭炎の診断としてmodified Centor Criteriaというものがあります。
5つの項目について点数をつけて、その点数から溶連菌感染のリスクを予想するというものです。
項目は次の5つです。
①38℃以上+1
②咳なし+1
③前頸部リンパ節腫脹(首ののどぼとけ付近のリンパ節が腫れる)+1
④扁桃腫大(喉の奥の扁桃腺が腫れること)・白苔(白い苔のような膜がみられる)あり+1
⑤年齢3−14歳+1、14−44歳0、44歳以上0
そして、点数による溶連菌感染のリスクは以下のとおりです。
4点→51−53%、3点→28−35%、2点→11−17%、1点→5−10%、0点→1−2.5%
検査として、咽頭を拭って採取する迅速検査があります。A群βの溶連菌のみを検出する検査です。
治療は抗生剤を投与します。抗生剤は広範囲ペニシリン系抗菌薬であるアモキシシリン(ABPC)を使用します。
例:サワシリンカプセル(250mg)1回1カプセル 1日3−4回内服 10日間
感染の1−3週間後にリウマチ熱を併発する場合があります。そのため、抗菌薬はリウマチ熱予防のため10日間以上投与を行います。
また、感染後1−3週間後に急性糸球体腎炎を併発する場合があるので、浮腫などの症状があったら病院を受信しましょう。
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