脳卒中

脳卒中患者さんの深部静脈血栓について

投稿日:2018年12月3日 更新日:

今回は脳卒中患者さんにおきる深部静脈血栓について書きたいと思います。

 

深部静脈血栓とは

深部静脈血栓とは「エコノミー症候群」として知られている病気です。エコノミー症候群は飛行機のエコノミークラスで長時間動かないことで下肢の静脈に血栓ができるのですが、例えば脳卒中で倒れて入院し寝たきりの状態の患者さんなどもこの深部静脈血栓のリスクが高いです。
深部静脈血栓で困るのは、その血栓が飛んで心臓に戻り、心臓から肺動脈に血栓が詰まって肺塞栓症を起こすことです。肺塞栓症を起こすと最悪の場合心臓が止まってしまうことがあるくらい怖い病気です。

 

深部静脈血栓の症状は?

深部静脈血栓症の症状としては、下肢の浮腫、痛み、発熱などがあります。

 

深部静脈血栓の検査は?

採血検査でD-dimerの値が上昇することでスクリーニングできます。怪しければ下肢の超音波検査をして血栓を認めれば診断できます。造影CTで診断することもあります。

 

深部静脈血栓の治療は?

血栓がももの付け根の静脈まで進展していて、プラプラ浮いているような場合は抗凝固という血栓予防の治療を行います。ヘパリンという薬を点滴したり、ワーファリンという薬を内服したりします。
しばらくは安静にして血栓が飛ばないように管理し、定期的に下肢の超音波を行って血栓の状態をチェックしながら安静を解除していく形になります。

また、深部静脈血栓症にならないために下肢にマッサージのような機械をつけて予防することも多いです。

 

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